2022年11月 2日

被災地で芽生えた命を守る家づくりへの想い

大工人生のスタートは、大工さんの専門用語がまったくわからず、いきなり壁にぶつかりました。

覚えることが多く毎日が新鮮。そんな中でも少しづつ技術も上達し、家を形にしていく経験が増えることが充実の日々でした。

職人として2年が経とうとしたそんなある日、私はいつものように現場で作業をしていたら、視界がゆっくりユラユラ揺れた気が・・・・。

私はてっきりちょっと疲れているのかな?それぐらいに思ってあまり気にせず作業をしていました。

すると・・・

「早く下に降りてこい!」親方から突然呼ばれ、

「地震だ!かなりデカイみたいだぞ!」と親方の怒声にも似た声とラジオの大音量の速報に驚き固まっていました。

― 2011年3月11日 東日本大震災 ―

あわてて家に帰りテレビをつけてニュースを見てみると。まるで映画でしか見たこともない映像が飛び込んできました。
大津波が家や車を飲み込んでいき、町は壊滅的な被害にあっていました。

日常が一瞬にして変わり果てた姿に自然災害の恐ろしさを知りました。

そんな震災から2ヶ月ほどたったころ、岩手県の宮古市に復興チームとして仮設住宅を建てに行くことになりました。

被災地に到着するとニュースで見る何倍もの衝撃が目の前に広がっていました・・・・

建物は流され、見渡す限り基礎だけが無残に残り、がれきの山、家財道具が道路に散乱していました。

その時の光景は今でも目に焼き付いています。
しかし、そんな惨状の中で倒壊いていない家がチラホラある。

そう、耐震性が高い家は残っているのです。私はその事に深く感動をしました。
現地の人とも触れることで、大切なひとの命を守る家づくりへの想いが沸き立ってきました。

これが今の私の家造りの使命の一つである耐震性です。
家族が安心・安全に暮らせるように「家は家族の命を守らなければいけない」

この復興作業で私の家づくりへの思いに変化が出てきます。
今までは「とにかく図面通りにしっかり組み立てるんだ。」という思いで仕事をこなしてきましたが、どうしてこのような間取り、仕様にしたのかなどお客様の想いや背景、そこに潜むドラマを考えるようになりました。

そして、月日が経ったある日突然、父が病に倒れました。

幸いにも命に別状は無かったのですが、少しの間入院ということで現場に出られない状態。

この時に、家業に戻って跡を継ごうと決意します。

そして、小林工務店をもっと盛り上げ、親父に安心してもらおうと奮闘します。

その中で、特に心に残った2棟の新築住宅があります。

それは私の中学の友人の住宅を建てたときのことです。
家族の写真「正幸に建ててもらいたい」とその友人2人はハウスメーカーや実績のある工務店よりも私を信用して家づくりを任せてくれたのでした。
そう言ってくれた友人にとてもうれしかったことを覚えています。
それと同時にある感情も芽生えました。

お客様にとって安心安全で、オンリーワンの家造りに携わりたい!!

お客様の家づくりに対する想いを結び付け、カタチにすることこそ家づくりの醍醐味じゃないか!そう思い、ここから私の考える家づくりが本格的に歩みだします!

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